2006.09.09 Saturday
可愛さは無敵!(その1)
Linksに追加した『WONS』様:世界(ワールド)を大いに盛り上げるための長門有希による涼宮ハルヒ観察サイト略してWONS様から、黒ゴス長門がしっかり補足されていてビックリです。
皆さん、仕事が早いっ! (感謝です)
3号さんのゴスロリ長門が可愛かったので、ちょっとSSを。
キョン&長門なお話。長くなってしまったので二分割upの予定です。
ミニキーボードが壊れてパソ標準品のデカキーボードを泣く泣く使用中。
薬指で押すAキーが押しづらくてタイプミス多発でイライラする。
誤字があったら指摘してプリーズ(滝汗)
キョン×長門(一般の方々も大丈夫)=801要素0%
↓
皆さん、仕事が早いっ! (感謝です)
3号さんのゴスロリ長門が可愛かったので、ちょっとSSを。
キョン&長門なお話。長くなってしまったので二分割upの予定です。
ミニキーボードが壊れてパソ標準品のデカキーボードを泣く泣く使用中。
薬指で押すAキーが押しづらくてタイプミス多発でイライラする。
誤字があったら指摘してプリーズ(滝汗)
キョン×長門(一般の方々も大丈夫)=801要素0%
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可愛さは無敵!(その1)
放課後…。
ハルヒは俺にチラッと視線を向けただけで、チャイムと同時に教室を飛び出していった。
珍しい。今までにないパターンだ。雨でも降るのか?
そんな感想が頭の中を過ぎる。
久々にのんびり出来るかな?
そんな、砂糖が目一杯入った歯が浮き上がって逃げ出すレベルの甘い栗ヨウカンのような願望を抱いた俺は部室等の階段の登り口で朝比奈さんに出会った。
ふわふわとした綿菓子の様な笑顔を浮かべた朝比奈さんは、小動物のような可愛らしさでトコトコと歩いてくる。
「キョン君、こんにちわ〜。涼宮さんは?」
「あ〜、チャイムと同時にどっか行きましたよ」
俺の言葉にほっと安堵の吐息を零す彼女の気持ちが分からないわけではない。
日々、あの天上天下唯我独尊な団長殿にセクハラされまくっているのだから、たまにはその毒牙から逃れて平穏な放課後を過ごしたいと思うのは当然のことだと思う。
俺だって、最初のうちはハルヒのセクハラを止めようとしたさ。
だけどな、その後毎回閉鎖空間が発生するものだから、げっそりやつれた古泉に『セクハラを止めるのをやめていただけませんか』と、懇願されたら流石になぁ。
だから、朝比奈さんがハルヒからセクハラをされるのは、放課後の通過儀礼として定着し、俺はその光景が同じ空間内で展開されているにもかかわらず、視線はあくまでも古泉と対戦しているなんらかのゲームへと定着させねばならない、幸せなんだか不幸なんだか解らない状態になっている。
(半分拷問だよなぁ、朝比奈さんが零した可愛い喘ぎ声とか聞こえちゃった日には…マジで)
俺だって、今日は久々に心おきなく朝比奈さんの笑顔を堪能し癒されることを期待していた。
そう…、のんびりできると思っていたのだ。
文芸部のドアを開けるその瞬間まで。
ドアを開けた瞬間、薄肌色のなめらかなライン。
完璧なラインを形成してふくらんだ双丘とその先端にある
あ〜、今現在…本当の朱鷺色ってものを眼にすることなどほぼ皆無なのだが、そう思ったのは確かだ。(ちなみに、こんな色だ→■)
視線を固定させ、そのものを網膜へと焼き付けようとしたのは無意識のなせる技だと思う。
フワフワしたレースやらビーズやらの付いた黒いドレスの中に浮かび上がる、薄肌色のコントラストは有名な画家が何年も掛けて仕上げた1枚の絵のように完成された構図として脳内に保存&消去不可コードの埋め込み処理を自動的に行うべき視覚情報だった。
ガコーンッ!
強烈なスピードで顔面に激突した(おそらく部室に転がっていた古いサッカーボールだと思われる)物体は、フルスピードで揮発性メモリから不揮発性のメモリ領域へとデータ移動をさせている俺の集中処理システムを一発でダウンさせるほどの威力があった。
おそらくコンクリートをぶち抜くってトンデモ設定の突き抜けたサッカー映画のような威力だった。
「なっ、なんだっ?」
「こらっ、バカキョン! ノックぐらいしなさいっ!」
えっ、ちょっと待て、朝比奈さんは俺の隣にいるぞっ?
昏倒し掛かる意識に疑問を貼り付けたまま、俺は廊下に転がり出た。
「あ、みくるちゃん、ちょうど良かった…さぁ入ってっ!」
「えぁっ?」
朝比奈さんは状況が全く見えない状態で、アナコンダに締め上げられる子ウサギのように藻掻いて泣きそうな瞳で俺に助けを求めたのだが、無念…顔面へのダメージで失神寸前の俺には為す術もなく、そのままハルヒの巣穴へと引きずり込まれてしまった。
「あーいってぇ…」
鼻血が出なかったのが不思議なくらい強烈なシュートだったのだが、その痛みよりも先ほど見た光景の方が俺にとっては重大だった。
まさか…あれって、長門の?
うわぁ〜、すっごいもの見たような。
朝比奈さんなら見慣れているっていうか(朝比奈さん…迂闊過ぎです。お着替えタイムは鍵掛けて〜)、予想できる範囲内の可愛らしさだからまだ心理的(身体的)影響を抑えることができるんだが…。
ああぁ…いかん、日頃きっちりカーデーガンまで着込んでいる長門だからなぁ。
インパクトが強すぎる。
俺の日頃から妙に長ったらしいと評判の比喩的表現など、全く欠片も出てこないほどの衝撃だ。
脳内に、『長門の×××』…『長門の×××』…『長門の×××』と、リフレインが響いている。
いかんっ、やばい方向に熱暴走してしまいそうだ。
早急に冷却せねばっ…!
物理的+心理的衝撃でクラクラしている意識をどうにか斜め15度ほど立ち上げて、壁伝いに廊下を進んで水飲み場へと向かう。
飛沫を上げて蛇口から吐き出される水を火照った顔面へとザバザバとぶち当てて、脳内で元素表を水素から順に諳んじて上昇した脳内温度の平常化につとめた。
ちょうど、『クリプトン』あたりだろうか?
「キョン〜、もういいわよ〜〜っ!」と、いうハルヒのバカ声が文化部棟の廊下に響いた。
『やれやれ〜』
思わず口をついてでそうになる禁句を呑み込んで、俺は部室へと歩を進めた。
あの、黒っぽいフリルいっぱいの衣装はいったい何だったんだろう?
服飾関係にそれほど詳しくない俺には思い当たらないが、目に楽しいことには間違いない。
期待いっぱい胸いっぱいでドアを開ける俺。
あぁ、いかんっ…さっきの映像が脳内に復元されてしまう。
『長門の×××〜』
STOP THE 熱暴走!
脳内映像よりも、目の前のリアル映像に集中しよう!
部室内に視線を向けると、そこに一対のアンティークドールがちょこんと座っていた。
しっとりと光沢を煌めかしたレースに縁取られた漆黒の長門有希。
ふんわりとした羽毛となめらかに光るリボンで飾られた純白の朝比奈さん。
あぁ〜、なんということでしょう(劇的 Before After風に)
感嘆のあまり声が出ない。
おそろしく可愛らしい存在を俺は見たこと無い。
特に、長門っ!
無表情系美少女が着てこれほど似合う衣装があったとわっ!
Gothic & Lolita〜万歳!
可愛らしさだけで全てのモノを平伏させると言っても過言では無いっ!
「どうっ? 可愛いでしょふたりとも」
衣装をあつらえた私を称えなさいと、ハルヒは主張する。
確かに何をやらしてもそつなくこなすハルヒは、スタイリストの才能もばっちりあるようで、天は様々な才能を惜しげもなく与えたようだ。が、一般常識と羞恥心だけはぽっかり忘れっちまったってことか。
白ゴスの朝比奈さんはまるで天使のような愛らしさで微笑んでいる。
Gothic & Lolitaの神秘性と退廃的な切なさの持ち合わせの無い彼女には少々違和感がいなめないが、申し分ない可愛らしさだ。
「あのあの、お茶…用意しますね」
ああ、天使が紅茶をいれているよ。
朝比奈さんの笑顔に癒されながら紅茶を嗜む。
「私もゴスロリ着ようと思ったけど、良い色が無いのよ。黒白は定番だからすぐそろったけど、他の色って難しいでしょ。ピンクか赤か紫あたり? どれもちょっと微妙な感じがするし…」
団長殿はディスプレイにゴスロリネット通販ページをサーチしながらぼやいている。
やめといて正解だハルヒ。
お前にはピンクのゴスロリドレスは似合わない。
赤や紫だと、一歩間違えば女王様だ。(現状の態度は既に女王様だけどな)
心の声がハルヒのデビルイヤーに届かないことを祈りつつ、俺は視線を長門に移した。
あぁ、今日はなんてすばらしい一日だろう。
ハルヒの思いつきも今日は良い方に作用したようで、今後の揺り返しが少々コワイ気もするが。
非常に麗しい光景でそのまま録画したい情景が目の前で展開されている。
アンティークドールような無機質で刹那的な美しさがそこにある。
燻し銀の鋲とフレームで装丁された洋書が漆黒のドレスにぴったりマッチングしている。
規則的にページをめくる動作は、機械仕掛けのコッペリアのようにも見えてしまい、急に息をしているのだろうかと不安になった。
飲みかけのティーカップを置いて、窓際のいつもの席でいつもと違う衣装を着た長門に近付いてみる。
よくよく見ると、ときおり瞬きをしているし、胸も小さく動いている。
あぁ、よかった…ちゃんと生きてこの世に存在している。
妙な安心感があった。
過去に一度、死に至るほどの重傷を負った長門をその血潮を被る距離で見た俺は、一般的な人間以上にもろい存在であることを鮮烈に記憶している。
いかに万能で宇宙的パワーを持つ対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースであっても、あの日…笑顔で消えていった朝倉のように…あっけなくこの世から消え去る可能性があるんだ。
心の奥に燻る不安を振り切るように、本に向かう長門の視線を片手で遮ってみる。
長門はぱちくりと、瞬きをひとつ。
おぁっ? 少し表情が見えたかな?
長門は視線を遮る俺の手をマジマジと見詰めた後、身体毎30度ほどずらして読書に戻った。
稀少な表情の揺れを発見して、つい嬉しくなった。
向きを変えた長門の視線にまた右手を入れてみる。
ぱちくりと、瞬きをもうひとつ。
また…ほんの少し表情が揺れたような・・・
「こら〜っ! キョンっ有希の読書の邪魔しちゃダメっ!」
ガンと横殴りにハリセン(どうして部室にあるんだ?)を喰らってしまう。
「うぅ・・・」
少しは加減しろっ、俺はそんなに打たれ強くないって。
「ほらっ、おこってるでしょっ」
そ…そうなのか長門? 急に不安になってじっと長門の表情を見詰めてみる。
『おこってる…?』目線で問い掛けてみた。
『……』 小首をほんの数ミリ程度傾けている。
怒っていないようにも見えるけど、実際のところどうなんだろう?
「こら〜っ、変な目で有希を見ないでよっ!」
理不尽な怒声とハリセンの風を切る音が俺を襲う。
咄嗟に身体を反らしてハリセンはかわせたたけど…。
う〜〜〜ん。変な目なのか? 俺のせいか?
いくら温厚な俺でも、二度三度とブチ回されれば、怒りゲージは確実にMAXレベルへと増加していくわけで、いったいどう返すべきなんだと真剣に考え始めていた。
「変な目という指摘はこの場合不適切。情報の伝達に齟齬が発生している」
「えっ?」
ぽつりと零れた長門の台詞にハルヒが固まった。
「先ほどの使用された変という形容詞は変態的という意味合いで使用されたと解釈されるが、彼の視線を形容する表現として妥当ではない。」
絶句して、口をパクパクさせているハルヒ。
『むしろ…好ましいと思う』
俺だけに聞こえる小さな声で長門が呟いた。
ぁ…ありがとな、長門。
険悪な気配が漂い初めた空間に、泣きそうな甘い声が響く。
「あのあの…けんかはいけません〜」
あ、朝比奈さん…このタイミングでハルヒに近付いてはダメです、危険すぎます!
「みっくるちゃ〜ん、こっち来なさい。髪を縦ロールにしてみましょう」
アヒル口のままでそう言い捨てて朝比奈さんを捕まえて、パイプ椅子に座らせる。
おどおどびくびく怯える朝比奈さんとムスッとした表情のままブラッシングするハルヒ。
ロッカーからドライヤーやらヘアスプレーなども出して、本格的にヘアーセットをし始めた。
嫌な既視感が心を過ぎるが、その件はちょっと横に置いて別の方向に話を進めよう。
「なぁハルヒ…この衣装は、部室内で愉しむだけなんだよな」
そうでることを祈りつつ、そうじゃないことの可能性が高いだけに、確認すべき重要ポイントだ。
「そんなワケないでしょ。この衣装でのバイトを入れてるわ」
当然でしょ高かったんだからっと、言い放つハルヒ。
あぁやっぱりだ。
変なバイトじゃないだろうな、内容如何によって俺がこの身を挺してでも阻止するぜ。
「だいじょうぶよ、チラシを駅前で配るだけだから」
そうか、それならまぁ許容範囲か。
「はい、できたっ!」
綺麗な縦ロールに仕上げられた朝比奈さんは、ハルヒの声にビクッと身を竦める。
「う〜ん、やっぱりみくるちゃんの可愛さ超絶ね。女のあたしでもどうにかなりそうだわっ」
そのまま背後から抱きついてハムハムと朝比奈さんの耳朶を甘噛みしている。さらに右手をフワフワしドレスの中に突っ込んでいる。
「えぁっ、ふにゃぁん…」
真っ赤になって震える様子はちょっとしたレズモノのAVを見ているようで目に毒だ。
助けるべきか否か…ちょっと悩んでしまった俺。
今までにないほどのセクハラレベルで、朝比奈さんに深々とトラウマを刻み込むような状況へと突き進んでいくように思える。
だがここで、ハルヒの楽しみを取り上げてしまうと、閉鎖空間が発生しそうでコワイ。
途中まではまさしくあの衝撃の悪夢と信じたいあの夜の前段階と類似したシナリオのような気がするからだ。
古泉がまだ部室に現れていないから…マジにコワイ。
背筋に嫌な汗が流れる。
閉鎖空間を覚悟してハルヒのセクハラを止めるかべきか?
真剣に悩んだ。
どうする…俺?
(その2)に続きます。
制作期間2006/09/07〜09(あぅ〜ハルヒがだんだんヤンデレになっていく)